"いつかやろう、ね?"

大切な親友のあなたへ

 お久しぶり!
 ……ていっても、わたしはいつもみんなのこと見てるけど。

 この前は、わたしに気付いてくれて、ありがとう。
 親友に気付いてもらえて、わたしも頑張ったかいがあったなぁ。
 誰かさんは、わたしがそばで見てたって、ぜーんぜん気付きもしないんだもの。あの鈍さにも困ったものよね!

 でも、ほんとはわたし、何よりもみんなと一緒に戦えて嬉しかったんだ。
 だってみんなが頑張ってる時に、わたしだけ何もできないなんて悔しいじゃない?
 ロッドを振り回したって、今のわたしじゃ当てられないんだもの。すかすか空振りするだけで。
 だから、今のわたしじゃなきゃできないこととかあったから、実はほっとしてます。……そんなこと言っちゃダメだね。でもそう思ったのはほんとなの。
 彼を立ち直らせるのは、普段ならきっとあなたにだってできたんだと思うけど……今回だけは、わたしじゃなきゃ無理だったのかなとか思ったし。

 彼がね、わたしにすごーく罪悪感を感じてるのは、知ってた。
 たぶん誰よりも、――それこそあのとき一番そばにいたから、あいつを止められなかったって思ってたのよね。
 でもね。わたし、思うの。
 あのとき、たとえ彼が操られちゃったりとかしてなくて、他のみんなももっとすぐそばにいて……それでもあれは止められなかっただろうなって。
 みんながどうこうっていうんじゃないのよ! そうじゃなくて、あれはきっと、わたしを星が呼んだからなんじゃないかなって。

 実はね、わたし、みんなとお別れする前にクラウドにはこっそり言ったの。
 "それ"は――メテオを止めるのは、わたしじゃなきゃできない、って。
 ホーリーを発動できるのは、古代種のわたしだけだったからって意味で言ったんだけど。その後のことも、きっとわたしが古代種じゃなかったらどうにもできなかったのかもしれないって今は思うんだ。
 みんなも、もちろんあなたも知らないことだと思うけど……あのとき導いたライフストリーム、わたしひとりの力だけじゃ、ないの。
 旅立つまで、旅立ってから、わたしが生まれてからずっと出会ってきたみんなの力を借りて、できたことなの。
 他の古代種じゃ、きっとあんなことはできなかった。いろんなひとたちと出会ったわたしだったから、できたんだと思う。
 だから星は、あのときあの場所でわたしを呼んだ。わたしは、そう思ってる。

 そういうわけだから、彼が罪悪感を感じる必要なんて、まーったくないんだけど。
 彼はああいう性格だから、感じずにはいられなかったんだよね、きっと。
 ……ただ、いっこ文句を言うなら、わたしはどれだけ根にもつ女だと思われてたのかしら!
 わたし、そんなに引きずったりしないのに。まったくもってひどい話だわよね! 失礼しちゃうわ。

 まあ、きっとわたしたち、彼がそんなひとだから好きになっちゃったのよね。やっかいだなぁ、わたしたちったら(笑)

 ああ、すっかり長くなっちゃった。
 ね、また今度ちゃんと会えたら、お茶でもしようね。
 旅の間はあんまりゆっくりしてられなかったし……ミッドガルで初めて会った頃も、すごくばたばたしてそれどころじゃなかったものね。
 そんな日を、楽しみにしてます。

 それじゃあ、またね。

 淡く輝く世界の中で、彼女はつづった文字を見つめて微笑んだ。
 せっかく親友に宛てたのに、結局中身は彼のことだらけ。自分らしいといえば自分らしい手紙ではあるけれど。
 とりあえず、今そばにいるほうの彼に見られると、延々とヤキモチめいた発言をされそうだ。急いで送るなりなんなりするのが得策、というものだろう。

届かない手紙シリーズ第2弾、エアリス
[2007.8.15 執筆]

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