顔に書いてる

「男の嫉妬などみっともないぞ」

 ぐるりと振り向くと、そこでは腹の立つほどに整った顔がニヤニヤと笑っている。瞬間的に二度と女性を口説けない顔にしてやろうかと思ったが、そこはまあ、ロックとて大人である。(この場合、相手が一国一城の主であるとかそういうことは関係ない)
 なんでもない顔をして(本当はまったくもって繕えていなかったのだけれど)、何がだと聞き返す。男はひょいと肩をすくめた。

「気付いていなかったというわけでもあるまいさ。それだけわかりやすく凝視していたのだからな」
「だから何がだよ。そもそも嫉妬なんて俺は、」
「していただろう。あれを見て」

 その視線が少し離れたところへ向く。
 いるのはティナとモグである。真っ白でふかふかなモーグリは、緑の髪の少女にぎゅーっと抱きしめられて、なんだかまーったりしている。その抱っこしているほうの少女も、大変幸せそうに(頬を桃色に染めたりしながら!)、その毛並みに顔を埋めていた。
 そう、彼女はモーグリをふかふかするのが大好きなのである。それは知っている。ああ、知っているとも。なんせ、ここにいるメンバーの中で彼女と一番付き合いが長いのは自分だ。だから他の誰が知らなくたって、自分はちゃんと知っている。
 そう、彼女はモーグリが大好きなのだと!
 だのに、何を邪推しているのか。この男は。まったく、失礼にも程がある。

「邪推? 大概失礼だな、お前も。私は真実を忠実に述べたまでだよ」
「だから俺は嫉妬なんてしてない」

 口調も強く言い切る。が、やはり男は呆れたように首を振った。こいつはどれだけ頑固なのか!

「知らぬは本人ばかりなり、ということかな」
「何が!」
「簡単だよ、」

 男は気障に笑いながら、

「それだけムスッとしていれば、推すまでもなくわかろうというものさ」

ロクティナ推奨派です(でもロクセリもすき)
[2007.9.7]

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